“皮膚”は肉眼で見ることのできる臓器であり、「皮膚は内臓の鏡」「皮膚は心の鏡」と言われるほど心身相関の高い臓器であるため、皮膚のトラブルはQOLを大きく低下させるものであります。それゆえ“皮膚に対する”医学的エビデンスの構築や知識の啓発は、皮膚の健康研究機構が果たすべき役割であると共に社会的責任であると考え、皮膚の健康増進・QOL向上を目指した臨床研究・疫学調査、職域別の研修・セミナー、関連の研究会サポート等様々な活動に取り組んで参りました。 調査研究事業においては、当機構が調査主体として実施して得られたエビデンスは、皮膚科領域の各種診療ガイドラインにその多くが引用され、また啓発事業として取り組んで参りました光老化啓発プロジェクトでは、一般市民に対して光老化に対する認知・対策意識の向上など当機構が目指す皮膚の健康増進に対して一定の活動成果を上げてきたと自負しております。
さらに臨床研究法への対応、皮膚科領域の各種調査研究の品質向上を目指し、2019年より当機構内に認定臨床研究審査委員会、倫理審査委員会、認定再生医療等委員会を設置し運営を開始しております。また2021年からは医師の皮膚疾患に関する学習機会の継続、適正情報提供の推進を目的としたweb配信による「NPO SKINセミナー」を新たに開始いたしました。
今後さらに、関係学会、団体との連携を強化しつつエビデンスの構築、ならびに情報発信の充実を図り、広く一般の方々の皮膚の健康に対する健全な意識の向上に寄与できるよう理事役員一同努めてまいります。皆さまの一層のお力添えを賜りますことをお願い申し上げます。
2021年4月1日
NPO法人皮膚の健康研究機構
理事長 宮地良樹